@蓮華洞
酒宴の用意がされる中、金角はまだ少し引っかかっていました。
やはり猿にはとどめを刺しておかないとな…
銀角:「兄者も心配性だな。
それなら葫蘆(ひさご)に封じ込めて溶かしてやるか。」
お前がうっかりやさんなのだよ…と心中思った金角でしたが、
銀角に軽く微笑むと、部下を呼び出しました。
金角:「精細鬼(せいさいき)、伶俐虫(れいりちゅう)!!!」
「はい、大王様。」
金角:「話はわかったな。猿は今、山の下だ。
その山の頂上から葫蘆の口を下に向け、『孫悟空!』と呼べ。
相手が返事をしたらここに吸い込まれる。
最後に札を貼ったらおしまい。できるな?」
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宝物の紅葫蘆(べにひさご)と玉浄瓶(ぎょくじょうへい)を持たされ、
ふたりは平頂山の中腹まで森を抜けていきます。
精細鬼:「前から思ってたんだけどな、お前、
都合の悪いとき繭に閉じこもるのやめろ。」
伶俐虫:「だってめんどうなことしか言わないでしょう、大王たち。」
精細鬼:「そうだけどな、俺一人に背負わせるな。心細いだろ。」
伶俐虫:「素直なところだね。君は意外と忠義に厚いからからなぁ。」